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立川はぶ

古川畜産 古川 智也さん

周辺環境に配慮しながらこの地で養豚を続けていきたい

立川で働く人を、“見っけたん”がリレー形式でインタビューする『立川はぶ』!!
第33回目のゲストは砂川にて東京でトップレベルの養豚業を営む「古川畜産」の古川 智也さんです!

それでは古川さん、よろしくお願いいたします。


前回の鈴木さんとはどんな間柄ですか?

大学を卒業して実家の農業を継いだ時から農業関係で付き合いが始まりました。あと地元の消防団の仲間というのもあり仲良くさせてもらっています。鈴木さんは面白い方なんですけど、農業に関してはしっかりとした考えを持っていて、とても頼りになる兄貴という感じの方ですね。

古川さんは何代目になるのですか?

祖母から聞いたところによると、私で丁度十代目になります。この辺りは狭山茶の産地ということもあり、元々はお茶の栽培をやってきたんですけど、祖父の代から豚も飼うようになりました。昔は家の庭先で豚を飼う農家がこの辺りでもたくさんあったそうなんですけど、父の代になってから本格的に大きくして、それを今一緒に経営しているという感じですね。

東京で養豚を営む農家さんはけっこういるのですか?

今はかなり減ってきちゃって、10軒もないと思います。立川ではうちともう1軒だけです。うちでは800頭ぐらい飼っていて、東京では1番大きい規模なんですけど、地方をみると、大規模化が進んでいて、何千頭、何万頭と飼育している農場も多くあるので、全国的にみると小規模です。

小さな農場でもやっていける秘訣は?

三元豚の子豚さん達
三元豚の子豚さん達
どうしても、価格では敵わないので、それ以外のところで努力しています。いくつもあるんですが、中でも一番は美味しいお肉がつくれるよう頑張っています。うちで飼っているのは、三元豚(さんげんとん)という豚で、3つの品種の良いところを掛け合わせてできた、とてもバランスの良い豚で、日本国内で生産されている豚のほんどはこの三元豚なんです。
でも、うちのは餌が違うんです。普通はトウモロコシをすり潰したものなどが入った配合飼料で育てられているんですが、うちではその配合飼料以外にパンも与えているんです。近くに大きなパン工場がありまして、そこから型崩れして製品にならないパンやパンの耳を仕入れてきて、それを与えています。
豚は小麦を食べると脂の香りが良くなって、肉も柔らかくなるんです。しかも人間が食べるような上質の小麦を食べているので他ではなかなか真似できない、良い豚に育っていると思います。

大きく育った豚はどのように販売しているのですか?

うちでは週に2回、仲卸業者が来て、豚を出荷しています。多い時では1回に50頭以上出荷する時もあります。
うちの豚はお肉が柔らかいのが特徴なので、「柔豚(やわらとん)」というブランドで販売しています。この近くではみのーれさんを始め近所のスーパーでも売られています。

元々、農家を継ごうと思ったのはいつ頃からだったんですか?

長男というのもありましたし、父親の仕事ぶりを見て育ち、中学生ぐらいの時には、養豚をやろうと決めていました。それで農業高校に行って、それから農大の畜産課に入りました。卒業した後は、そのままうちに入って、もうすぐ10年目になります。

お仕事は大変じゃないですか?

生き物が相手なので、1年中365日、それこそお正月も休みが無いので、家族サービスが思うようにできないというのはありますね。あとは毎日、餌をあげて、掃除をしてとか、同じ作業の繰り返しで、単調な仕事ではあるんですが、その中でもひとつひとつ改善ができるところを見つけていくことが、楽しみになってきていますね。

これからの夢は?

子どもの頃は、この辺りは畑ばっかりだったんですけど、やっぱり最近は住宅が増えてきたんで、どんどん豚は飼いづらくなってきています。でも周辺環境に配慮しながら養豚を続けていきたいです。できれば規模を大きくしていきたいなという夢はあります。
それから最近、ふるさと納税のニュースで、立川市では他の自治体へのふるさと納税が増え、市税が流出しているというのを見たので、地元の野菜やうちのようなお肉などを返礼品にしてもらえるように市役所の方と話してみたいなと考えています。そうして立川市の農業が盛り上っていけばいいなと思っています。

バトンタッチしていただく方のご紹介をお願いします!

飲み屋さんで偶然に出会ってそれから仲良くさせてもらっている人なんですが、若葉町の方で自動車整備工場をされている、井滝 匡さんという方を紹介します。すごい優しい方で、よく声をかけてくれて、今では飲み友達という感じなんです。家族ぐるみのお付き合いをさせてもらっています。

取材を終えて・・・
何の迷いもなく、家業を継ぎ、日々の仕事に邁進している姿勢は、なんとも好青年で頼もしさを感じました。きっと皆が喜ぶ美味しい豚を育てていってくれるだろうと期待しています。

古川畜産
 住所:立川市西砂町6-21-1
 電話:042-531-1898

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