備えあればうれし泣き新宿
健康への影響は? 何を目安に、どう気をつけたらいいの?
2013/04/01
最近、さかんに耳にする「PM2.5」について、ただ危機感だけを持っている方はいらっしゃいませんか? 正しい知識を身につけて、慌てずに対処したいですね。
今日は、「PM2.5」の基礎について、びちくんといっしょに学びましょう。
「PM2.5」とは?
大気中に浮遊する粒子状物質のうち、呼吸器に吸入されて、人の健康に影響を及ぼす粒径10μm以下のものについて、昭和48年に浮遊粒子状物質(SPM)と定義して環境基準が定められています。
その中でも、粒径が2.5μm(2.5mmの千分の一)以下のものを、「PM2.5」と呼んでいます。
どのくらいの大きさなのか、画像で見てみましょう。
「ぅわ~、人の髪の毛やスギ花粉に比べても、すごく小さい!」
(粒子状物質の画像は東京都ホームページより引用しています)
これだけ小さいわけですから、吸い込んだときに気管を通り抜けて、気管支や肺の奥まで入ってしまう可能性があり、人の健康に影響を及ぼすことが心配されているのです。
新宿区内のPM2.5観測値は?
天気予報などで、PM2.5の観測値が報じられることが多くなりましたね。
では、新宿区の値はどこで見ればいいのでしょう?
新宿区内では、東京都の測定局の1箇所(新宿区下落合2-2地先)で測定していて、その測定値をこちらのページで見ることができます。
日々更新されますので、参考になさってくださいね。
新宿区内の測定値 ←ココをクリック
※微小粒子状物質(PM2.5) > 日報測定値 > 自排局とたどり、「4 新目白通り下落合」の値を参照してください。
健康への影響は? 環境基準って?
環境基準内でしたら、健康上すぐに問題が起きることはないとされています。
区内の観測値がわかったところで、この値による行動の目安を知っておきましょう。
平成21年9月に、「人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準」として、環境基準が制定されました。
環境基準:
1年平均値が15μg/立方メートル以下であること
かつ
1日平均値が35μg/立方メートル以下であること
環境基準を超えたからといって、心配しすぎたり、慌てたりするのはよくありません。ただし、個人差がありますので常日頃から体調管理はしておきましょう。
逆に、健康影響が出現する可能性が高くなると予測される濃度水準とも定められています。
暫定的な指針となる値:
1日平均値が70μg/立方メートル超
1日平均値が70μg/立方メートル以内でしたら、特に行動を制約する必要はないとされています。
しかし、もしも70μg/立方メートルを超える値に達したときには、屋外での長時間の激しい運動や、不要不急の外出は減らしたほうがいいとされています。
注意:
呼吸器系や循環器系の疾患のある方や、小児・高齢者などでは、個人差が大きいと考えられています。これより低い濃度でも健康影響が生じる可能性は否定できないとされていますので、体調の変化に注意しましょう。
マスクや空気清浄器は有効?
マスクを購入する際は、マスクの性能を確認することも大事です。
医療用や産業用の高性能な防じんマスクは、微粒子の捕集効率の高いフィルターを使っていますので、微粒子の吸入を減らす効果があります。
ただし、マスクは顔の大きさに合ったものを、空気が漏れないように着用してください。そうでなければ、十分な効果が期待できません。
しかし、少し息苦しい感じがありますので、長時間の使用には向いていません。
また、不織布マスク等の一般用マスクには様々なものがあり、PM2.5の吸入防止効果は性能によって異なると考えられます。購入の際は、マスクの性能を確認しておきましょう。
また、もしも70μg/立方メートルを超える値に達したときには、換気や窓の開閉を必要最小限にすることで、外気が屋内に入るのを防ぐように心がけましょう。
空気清浄機の除去効果については、フィルターの有無や性能など機種によって異なると考えられます。個別の製品の効果に関する詳細については、製品表示や販売店・メーカーに確認してくださいね。